解散の予兆の感じ取り方

2週続けてHBCラジオでコメントしていたので、今週も水曜日に話をすると思われていくつかご連絡いただいたが、残念ながら今週は出番がなく次回は9月28日になる。国会開会日であり、解散となる予定日である。 解散の予兆の感じ取り方 日々の政局の動きを一番よ…

第三次安倍再々改造内閣の人事から読めること

政治学者と政治評論家の一番の違いは、目の前で起こっている政局報道にコメントするかどうかだと考えている。学者としては手を出していけない領域だろう。しかし、祭りの日にお座敷がかかった電波芸者としては、気の利いたことを言わなければならない。ちょ…

稲田朋美防衛大臣を辞任に追い込んでも解決しない問題 ―小野寺新防衛大臣に問うべきこと―

0.時効の中断 加計問題で、立証責任問題についてコメントを頂いている。7月10日の閉会中審査における審議、特に参議院での青山繁晴議員の議論の詳細を分析しておく必要があると考えていたが、議事録が参議院のHPにアップされたし、7月24日及び25日の衆参・…

わかりたい人のための加計問題 Part 5 特別篇その2

獣医学部新設に関する設置審の独立性 以下のようなコメントもいただいた。これも大事なご指摘であると考えるので、本体部分で扱っておく。 ・・・・・ 大学勤務の経験があるものとして加計学園問題や前川氏の発言に無関心ではいられず、ブログを拝読いたしま…

ちゃんとわかりたい人のための加計問題-Part 4 (特別篇)

閣議決定である「石破4条件」に反する決定は違法か? ―閉会中審査で山本大臣が嘘をついたのは明白ではないか?― 1.タイトル変更 「ちゃんとわかりたい人のための」と大見えきって書き始めた時には、僕自身この 問題のややこしさをちゃんと理解していなか…

「とよまゆ」は準エリートか?

自民党の元官房長官の河村建夫・衆議院議員が、豊田真由子氏の暴言・暴行報道に対し「あれはたまたま彼女が女性だから、あんな男の代議士なんかいっぱいいる。あんなもんじゃすまない」[i]と述べたことが批判されている。もちろんこの発言は、ご自身のFacebo…

「とよまゆ」伝説

今日発売の週刊新潮が、豊田真由子衆議院議員の秘書の告発を書いている。僕の住んでいる北海道では、最近やっと金曜日発売になったが、それまでは土曜日発売。しかも、悪天候で船やJRのダイヤに乱れがあれば日曜どころか翌週発売になることもしばしば。いま…

ちゃんとわかりたい人のための前川問題 -加計問題にみる政官関係― part 3

3.獣医学部の新設の認定過程 (1)「国家戦略特区」という道具の役割:文科省設置審の権限は依然として存在 問題は、加計学園の系列大学による獣医学部の新設が適切であるかどうかである。合理的理由がないのに総理のお友達だけに例外を認めるのであれば…

ちゃんとわかりたい人のための前川問題 -加計問題にみる政官関係― part 2

2.文書が本物と立証されたところで問題は何一つ解決しない マスコミと野党の焦点は、この文書が本物の文科省職員が作成したメモであるかどうかに集中しているが、それでは大した意味がない[i]。 役所の中では日々、膨大な情報がメモ書きされ共有されている…

ちゃんとわかりたい人のための前川問題 -加計問題にみる政官関係- part 1

文部科学省の前川喜平・前事務次官の告発によって、政と官の関係が注目を集めている。多くの人が様々な議論を提起しているが、問題点が整理されておらず隔靴掻痒そのものだ。結論を言うと、この問題は大問題だ。 まず、高等教育機関の設置を「特区」という極…

トランプにとってのアメリカ第一主義

「America First! America First!」と就任演説で叫んだ映像があまりにも印象的だが、トランプ大統領の政策を規定するワードは「アメリカ第一主義」であることには異論はなかろう。しかし、その中身は少々誤解があるように思っている。 選挙キャンペーンで、…

政治に翻弄される日本の牛肉食文化

日本テレビAnother Sky。今週(2017年4月28日)のゲストは秋元梢。世間的には「千代の富士の娘」のイメージだけだけど、本当はパリコレで活躍するめちゃめちゃ本格的なモデルだという話。だから今週のAnother Skyはパリ。 肉好きゲストのために中条あやみが…

アメリカ・リベラル派の苦悩

これも眠ってましたな。同じく2013年9月です。 アメリカ・リベラル派の苦悩(9月13日) 今朝の朝日新聞にジョン・アイケンベリー氏のインタビューが載っている[i]。プリンストン大学の国際政治学の教授であるが、いわゆるリベラル派でありながら現実主義の立…

解釈改憲の技術的限界―集団的自衛権に関する山本最高裁判事発言の本当の破壊力―

内閣法制局関連で、最高裁の山本庸幸判事の就任記者会見の発言に触れたが、その発言についても眠っている原稿がある。2013年8月時点では必要であったが、公表する時期を失してしまっている。ついでなので、自分自身の問題意識を確認する意味もあるのでそのま…

内閣法制局という組織(3) 内閣法制局の法案チェック機能の政治的意味

内閣法制局によるチェックを経た内閣提出法案だからといって、政策的に重要なものばかりとは限らない。中央省庁の局長クラスにとって、自らの所掌事務に政治的に注目を集める問題がないことも多い。官僚は公務員であり、厳格な身分保障があると考えられてい…

内閣法制局という組織(2) 内閣法制局の実態

内閣法制局という組織(2) 内閣法制局の実態 霞が関の中央官庁に就職した役人にとって、法案作成は、予算獲得や組織の維持拡大と並ぶ重要な仕事である。憲法には「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」(41条)と書いてあるからと…

内閣法制局という組織(1) 法案作成過程における内閣法制局の役割が注目されるわけ

書いておいても、発表の機会のないままに古くなってしまう原稿がある。内閣法制局の政治的意味についてまとめていたが、発表の機会がなかったので少々手直しの上、ここに掲載しておく。 最近、内閣法制局という組織が注目されている。集団的自衛権行使容認へ…

電波芸者の質を上げたい!

学識経験者としてマスコミにコメントを求められることがある。テレビの情報番組を見ていて間違った認識に基づいてたり、不正確なコメントを見るたびに「俺にいわせろ!」と思っているので、喜んでお引き受けしている。 でも、やってみるとこれがなかなか難し…